ふと鏡で顔を見たら、まぶたや目の周りにニキビみたいなものがあると気づいたという経験はないですか?
意外かもしれませんがまぶたにもニキビはできますよ。まぶたは他に比べ皮膚が薄く、化粧の成分や皮脂汚れなどが付きやすいことも関係していると考えられています。
まぶたにできてしまうニキビの原因と対策や予防について解説していきます。
まぶたにできるニキビの原因は?
ニキビが肌にできてしまうとそれだけで気持ちが落ち込むこともありますよね。そしてそれがまぶたや目の周りだと余計にやっかいです。
まぶたにできるニキビの原因を詳しくみていきましょう。
睡眠不足
睡眠時間が足りていないと体もしんどいですよね。睡眠不足が続くと肌への新陳代謝がうまく行われなくなってしまいます。
そして皮膚に異常な角質ができてしまい、毛穴の詰まりをおこしやすくニキビができやすい肌になってしまうのです。
しかし長時間寝れば良いという訳ではなく、毎日の睡眠の中でしっかり質の良い眠りができてるかがポイントです。
睡眠環境が整っているか、寝る前にリラックスできる工夫をしているかを振り返ってみてください。
ちなみに現代の日本人は5人に1人は睡眠の質が悪いとされています。一般的に就寝前のお酒やタバコ・カフェインなどは寝つきを悪くすると考えられていますね。
過度なストレス
現代人は仕事や人間関係などで過度なストレスを受ける機会がたくさんあります。ストレスを感じ続けるとニキビができやすくなるといわれていますよ。
なぜなら過度のストレスを受けると皮脂が大量に分泌されやすくなるからです。
ストレスを受けると毛穴を収縮する働きのあるアンドロゲンやノルアドレナリンなどのホルモンがでてしまい毛穴に皮脂が溜まりやすくなります。
さらに毛穴が皮脂で詰まってしまうと、ニキビの原因のアクネ菌が増殖するので悪循環になりますね。
そして、ストレスを受けると体の免疫機能にも影響します。その結果肌のバリア機能も正常に働かなくなってしまい、肌トラブルを起こしてしまうのです。
まぶたに前髪があたっている
まぶたに前髪が当たる場合はニキビにつながる可能性が。まぶたに前髪が当たることで刺激になったり、おでこの皮脂が前髪について、それがまぶたにつくことによってニキビの原因になるんです。
特におでこのあるTゾーンは皮脂の分泌が多いとされているので、そこに前髪があると簡単に皮脂が付いてしまいます。
さらに、髪は細菌やほこりなどがたくさん付いています。通常は髪がまぶたに触れても肌のバリア機能が正常に働いていればニキビにはなりません。
しかし何らかの原因で肌のバリア機能が低下すると、髪についた皮脂などがまぶたの皮膚に付着し、そこからアクネ菌が繁殖しニキビを誘因してしまうのです。
バリア機能が低下した肌は、スタイリング剤の油分や普段は気にならないメイク成分に反応してしまい肌トラブルになる事もあるので注意しましょう。
化粧品を落としきれていない
まぶたのニキビはアイシャドーなどの化粧の成分が落ちきっていないなど、清潔な状態を保てていないことも原因になります。
他の目元のメイクであるアイライナーやマスカラなどもしっかり落とせていますか?
また二重用のアイプチテープやつけまつげの接着剤などの成分が触れる部位でもあるので、成分が肌にあわないとかぶれたりすることもあります。
もしまぶたのニキビを隠そうとしてその上に下地やファンデーションを塗っているのならニキビ悪化の原因になりますよ。
ちなみにラメなどの異物に反応してしまう場合もあるのでメイク用品を選ぶ時には慎重になりましょうね。
まぶたや目の周りの皮膚は繊細なのでメイクをする際もあまり強く押さえることのないように気を付けて、できるだけ落としやすい化粧品を使ってください。
洗顔時の摩擦が強い
まぶたや目の周りはデリケートなので、小さなきっかけで乾燥してしまいます。
誤った洗顔方法などでまぶたに小さな傷がついてしまうと肌のバリア機能が低下し、そこから雑菌が入ることでニキビになってしまうという可能性は大いにあります。
濃いアイメイクをしているからといって洗顔の際にまぶたをごしごしと洗うのはやめましょう。またお湯の温度も熱すぎると乾燥するので良くありません。
肌を清潔に保つことはニキビ対策の鉄則ですが、洗顔料の成分にも気を付けることが大切です。肌の潤いをキープできる保湿成分が配合された石けんやクレンジングオイルを選んでいるか確認してみてください。
そして洗顔後にスキンケアをすると思いますが、人によってはまぶたの肌が盲点になっている人もいます。
スキンケアの際に、手のひらで優しく目元にも化粧水や乳液を優しくハンドプレスするように意識してください。乾燥が気になる人は目元専用のアイクリームで保湿するのもオススメです。
まぶたにできるニキビを治すための対策・予防方法は?
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・生活習慣の見直し
・クレンジングをしっかりする
・髪の毛の刺激を極力減らす
まぶたや目の周りは皮膚が薄いうえ、毎日のアイメイクやクレンジングなどの刺激を受けやすいということが分かったと思います。
しかも目は印象に残る部位だからこそニキビができると自分はもちろん、人目も気になってしまいますよね。まぶたのニキビを治すために必要な対策や予防策を見ていきましょう。
生活習慣の見直し
睡眠不足や不規則な生活はホルモンバランスの乱れを起こしてしまい、肌のターンオーバーの乱れにつながります。新陳代謝をあげると肌のターンオーバーも整うので、生活習慣の改善は肌トラブルの予防に効果があります。
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1. 規則正しい生活(運動なども)
2. 十分な睡眠時間の確保
3. 栄養バランスの良い食事
この3つはまぶたや目の周りのニキビだけでなく、それ以外の場所に出来るニキビの予防や改善にも繋がりますよ。
忙しい毎日の中でストレスを溜めないことも重要です。適度に運動することやあなたの好きな趣味に没頭するのも良いでしょう。
新陳代謝を上げてキレイな肌になるために毎日お風呂に入るのもおすすめです。帰宅したら早めに化粧を落とし、ゆっくりと入浴する習慣をつくると良いですよ。
その日の汗や皮脂汚れをお風呂でしっかり落とす事でニキビができにくい肌を目指しましょう。
生活習慣を見直すことは間接的な対策に聞こえるかもしれませんが、肌の新陳代謝を上げ、ニキビ予防に効果がある有効な手段です。
クレンジングをしっかりする
目元のアイメイクに力を入れている人は、きちんとクレンジングで汚れを落としていきましょう。
まつ毛エクステなどをしている人は、エクステが落ちないように簡単に洗っている人もいるかもしれません。しかしそれでは汚れがきちんと落ちてない可能性がありますよ。
肌へのダメージを防ぐためにアイメイク専用のポイントメイク落としを使うのがオススメです。
コットンなどでこすらずに優しくしっかり落とす事も良いですね。洗顔の際もごしごし洗わずに、泡立てた洗顔料で優しく洗います。
熱いお湯だと肌のバリア機能も流してしまうので、洗い流す際にはぬるま湯がベストですね。さらに、化粧水や乳液などでまぶたや目の周りを保護することを心掛けると良いでしょう。
まぶたにニキビが出来てしまった時はメイクが刺激になり炎症が悪化することがあるため、できるだけ化粧しないようにした方が良いですね。
髪の毛の刺激を極力減らす
できるだけ前髪でまぶたを刺激しないようにしましょう。特にニキビが出来てしまった場合は、触らずつぶさず清潔に保つ努力をしてくださいね。
前髪や化粧でニキビを隠そうとすると余計に悪化してしまいますよ。前髪をピンで止める・ヘアゴムで上げるなどの工夫を心がけると、前髪についた皮脂がまぶたや目の周りに着かなくなります。
もしまぶたのニキビが繰り返すのならば、前髪がまぶたに付かないように工夫したり、カットしたりして調節すると良いでしょう。
まぶたにニキビがある場合は、ニキビを潰さないように気を付けてください。触ったり潰したりすることで炎症が悪化し、細菌感染を起こす恐れもありますよ。
ニキビとよく似た病気もある!
まぶたや目の周りにできる皮膚疾患はニキビ以外の場合もあります。どんなものがあるのでしょうか。ニキビとの違いを具体的に見ていきましょう。
マイボーム腺梗塞
マイボーム腺とは?
まぶたの中にある、涙を作る成分の1つである油(脂質)を分泌する腺のことです。マイボーム腺の管はまぶたのふちやまつ毛の付け根の内側にあります。
マイボーム腺梗塞の症状
まぶたのふちの小さな白いできものはマイボーム腺梗塞と言われます。基本的には無症状のことが多いですが、大きなものになると異物感を感じることも。ドライアイや目の不快感を伴うことがあります。
原因と対策
マイボーム腺の分泌物の脂質が固まってしまい、マイボーム腺が詰まることで生じます。マイボーム腺の開口部に脂質や角化物が固まったものができ、まぶたのふちに白いできものが見られるようになります。
まぶたのふちを衛生的にするために、蒸しタオルで温めることも効果があると考えられています。油っぽい食事やアイメイク・まつ毛エクステなどがマイボーム腺梗塞を誘因してしまうこともあるので注意しましょう。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)
稗粒腫の症状とは?
稗粒腫は肌の毛穴の皮膚からできたもので、表皮嚢腫の小さなものと考えられています。直径1~2㎜くらいの白いブツブツができます。
目の周りに同時に複数発生することがあり、白っぽいしこりができるのでニキビのように見える場合も。赤ちゃんに出来たものは自然に消える事がありますが、大人になってからの稗粒腫は自然になくなることはほとんどありません。
肌に少し深い傷や火傷、水ぶくれなどが治った後にできる事もありますよ。加齢や皮膚の新陳代謝が滞るとできやすいと考えられています。
対策と予防
一度治療しても再発するケースもありますが、予防するための3つのポイントがあります。
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①皮膚を清潔にしてしっかり保湿する
②皮膚の新陳代謝を整える
③ 肌のピーリングを定期的に行い、ターンオーバーを正常化
良性の腫瘍なので、放置しても特に問題はありません。見た目が気になる人は、皮膚科や美容皮膚科で治療や処置を希望するケースもあります。
汗管腫(かんかんしゅ)
汗管腫の症状とは?
上まぶたや下まぶたにできる米粒くらいのぽつぽつとした形状で、思春期以降の女性によく見られます。女性ホルモンが関係しているので、男女比は3:1で女性が多いようです。
エクリン汗器官(汗を作る器官)の細胞が増殖することが原因で、下まぶたから頬に広がってしまう場合もあります。
対策は?
良性の皮膚腫瘍なので、痛みやかゆみもない場合が多く放置しても健康に影響はありません。
しかし自然に治ることは期待できないため、見た目を気にされる方は皮膚科での適切な治療をおすすめします。
汗管腫の発症には遺伝も関係あると考えられています。もし症状を繰り返す、数が増えていくケースでは違う病気の可能性もあるので、眼科や皮膚科を受診する方が安心ですよ。
ものもらい
麦粒腫:めいぼ、ものもらい、めばちこなどと呼ばれる目のふちにできるできものです。
ものもらい(麦粒腫)の症状は?
まぶたのふちが一部赤くはれ、目のまばたきをすると痛みや違和感を感じることが多いです。
炎症が強いと目やにが出て、まぶたがはれることも。白目が充血することもあり、悪化すると膿がたまることもあります。ほとんどの場合は、自然につぶれて膿がでて、時間をかけて治っていきます。
ものもらい(麦粒腫)の原因は?
まぶたにあるマイボーム腺や皮脂腺・汗腺に細菌が感染することで起こります。普段から髪や皮膚に常在している「ブドウ球菌」と「表皮ブドウ球菌」が、体の免疫や抵抗力が低下したときに何らかの理由で増加し炎症を起こします。
対策と治療法は?
基本的に抗生剤で治療します。点眼薬や軟こう、内服薬など。ものもらい(麦粒腫)がひどくなる時は、季節の変わり目や身体の疲れがたまっているときのことが多いです。
休息を十分にとるように意識しましょう。軽症の場合は市販の抗菌作用がある目薬を使用するのも良いですね。しかし数日使用して違和感や症状の改善が見られない場合は、早めに眼科を受診してください。
ニキビとものもらいとの見分け方
見た目が似ているのでニキビなのか分からないこともありますよね。見分けるポイントはどこの部位にできるかという点です。
目のふちにできているものは、ものもらいです。まぶたの上や皮膚にできている場合はニキビです。
まぶたのニキビがなかなか治らない場合は皮膚科の受診がおすすめ!
まぶたにできたニキビは時間はかかりますが、自然に治癒することが多いです。まぶたや目の周りの皮膚は薄いので、色素沈着しやすいのでニキビの取り扱いには十分に気を付けてくださいね。
何よりまぶたにニキビができないように対策や予防することが大切です。
もし様子を見る中でなかなか治らない・もしくは症状が悪化していると感じたら、早めに皮膚科の受診をしましょう。皮膚科だとあなたの症状に合った薬を処方してくれるので安心ですよ。
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